マインドマップでサステナビリティ用語解説「ブルーカーボン」

ブルーカーボンは、地球上の海や湖、沼などの水域に存在する特定の生態系で蓄積される炭素のことを指します。
主に海藻、サンゴ、マングローブ、塩性草原などの植物が成長している環境で見られます。

ブルーカーボンは気候変動対策、そして生物多様性の保護などの観点から注目されています。

【注目されているポイント】

生態系の保護: ブルーカーボンの生態系は、海や湿地帯で生息する生物にとって非常に重要です。例えばマングローブの森は、多くの種の魚や鳥にとって安全な場所で、卵や仔魚の成育地として機能します。

二酸化炭素の吸収: ブルーカーボンは、大気中の二酸化炭素を吸収し、植物の成長とともにその炭素を蓄積します。
これは、気候変動への対応策として非常に重要です。

海洋生態系の健康維持: ブルーカーボンは、海洋生態系の健康をサポートします。これらの生態系が健康であることは、私たち人類にとっても重要です。例えば、漁業においては、ブルーカーボンが提供する生態系サービスが魚の資源量を増加させることがあります。

自然災害の防止: マングローブやサンゴ礁は、津波やハリケーンなどの自然災害から岸辺の地域を守る役割を果たします。これにより、人々や動植物が安全に生活できるようになります。

【炭素吸収量】

気候変動の対策として、CO2のような温室効果ガスを抑える試みが注目を集めています。
ブルーカーボンにおける炭素吸収量は、様々な生態系や地域によって異なりますが以下のようなものです。
(これらは一般的な見積もりであり、具体的な条件や場所によって変動します)

マングローブ:マングローブは非常に高い炭素吸収能力があります。一般的な見積もりでは、1ヘクタールあたり年間で約 200トンから900トンの炭素を吸収すると言われています。これは、植物の生長と土壌中の炭素蓄積によるものです。

サンゴ礁:サンゴは直接的な炭素吸収が難しいものの、サンゴ礁の全体としての役割を考えると重要です。サンゴ礁全体では、海洋生態系全体と連動して、かなりの炭素が吸収されています。具体的な数値は難しいですが、サンゴ礁が提供する生態系サービスが大気中の炭素を制約する役割があると考えられています。

海草:海草は比較的高い炭素吸収能力があります。一般的には、海草の1ヘクタールあたり年間で約 155トンの炭素を吸収すると言われています。
このため海草産業の育成や海草生態系の保護・復元は、気候変動対策として注目されています。

これらの数値はあくまで概算であり、環境条件や地域によって異なります。また、これらの生態系が破壊されると、逆に蓄積された炭素が放出される可能性があるため、ブルーカーボン生態系の保護と復元が重要です。

【企業の取り組み】

たとえばMicrosoftは、自社の炭素排出を削減するだけでなく、ブルーカーボンにも焦点を当てています。2020年には、自社の持続可能性目標として、2030年までに過去の炭素排出を取り戻すプロジェクトを発表し、これにはブルーカーボンの活用も含まれています。

また、世界的な消費財メーカーであるUnileverは、サンゴ礁の保護に取り組むプログラムを推進しています。サンゴ礁はブルーカーボンの重要な生態系であり、その健康状態を保つことは環境にとって重要です。Unileverは、自社の製品サプライチェーンにおいてサンゴ礁の保護に貢献する方針を採用しています。

これらの企業の取り組みは、環境への配慮がビジネスにおいても持続可能な成長を達成するために不可欠であることを示しています。

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