hirosue 気候変動という言葉は、過去に比べて、いま地球の気候が大きく変化していることを表しています。
地球の気温が上昇しているため、気候に関するさまざまな現象が変わってきています。例えば気温上昇によって、大気中の水蒸気量が増加し、豪雨や洪水などの自然災害が増える傾向がありますし、海の温度が上昇するとサンゴ礁をはじめ生態系に大きな影響があります。
また、海面が上昇することによって、海水浸食による沿岸部の浸水や、島国である日本では、台風などによる高潮被害も増えると考えられています。
気候変動は、人間が地球環境に与える影響が大きく関与しています。主な原因としては、化石燃料の燃焼によって発生する二酸化炭素などの温室効果ガスが大気中に放出され、大気中の温室効果ガス濃度が増加することが挙げられます。
このような気候変動が進むと、世界中で様々な問題が生じることが予想されています。例えば、農作物の収穫量が減少するため、食料不足が生じたり、極端な気候現象によって、人命や財産が失われたりする可能性があります。
気候変動を防ぐためには、二酸化炭素などの温室効果ガスを排出することを減らすことが必要です。例えば、公共交通機関を利用したり、家庭で電気を節約したりすることが有効です。また、再生可能エネルギーの利用や、自然エネルギーの有効活用も重要な対策の1つです。
世界の国々は、気候変動に対する取り組みを進めるために、さまざまな国際的な枠組みや取り組みを設定しています。
1つは、国連気候変動枠組み条約（UNFCCC）です。この条約は、世界各国が気候変動に関する問題を協力して解決するために締結されました。また、京都議定書やパリ協定など、気候変動に関する目標を定めた国際的な合意書も存在しています。
国連気候変動枠組み条約に基づき、各国は自主的に削減目標を設定し、温室効果ガスの排出量を削減するための政策や取り組みを進めています。例えば、再生可能エネルギーの利用促進、省エネルギーの普及、燃料効率の改善、森林の保護・再生などです。
また、国連気候行動サミットや地球温暖化対策首脳会議など、各国の首脳が集まって気候変動に対する取り組みを話し合う国際会議も開催されています。
SDGsでも13番目に「気候変動に具体的な対策を」という目標が掲げられています。
さらに、企業や市民団体なども、気候変動に対する取り組みを進めるための取り組みを進めています。例えば、自社の温室効果ガス排出量を削減するための取り組みや、再生可能エネルギーの導入、環境にやさしい商品やサービスの提供などです。
気候変動に対して先進的な取り組みをする企業は、再生可能エネルギーの導入や温室効果ガスの排出削減など、さまざまな取り組みを進めています。
例えば、アップルは自社で使用する電力を100%再生可能エネルギーにすることを目指し、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーの導入を進めています。また、製品のライフサイクル全体において、温室効果ガスの排出を削減するために、製品のリサイクルや省エネルギー技術の導入なども進めています。
また、トヨタ自動車は、車の生産ラインにおいて省エネルギー技術を導入し、排出ガスの削減を図っています。またトヨタは、水素エンジンやハイブリッド車など、燃費の良いクリーンな車種を開発・販売しており、地球環境に貢献しています。
さらに、ユニリーバや花王などの日用品メーカーの多くは、製品のライフサイクル全体において環境に配慮し、温室効果ガスの排出量を削減することを目指しています。具体的には、製品の原材料や製造過程において、温室効果ガスを削減するための技術を導入し、再生可能エネルギーの利用を促進するなどの取り組みを進めています。
製品のライフサイクルというのは、製品を作って運び、売って、さらにお客さんが使って捨てるまでに排出されるまでの、すべてのプロセスのことを指しています。
日用品でいうとシャンプーなどはお湯を使って洗う部分がもっとも二酸化炭素が排出されすので、たとえば花王などはより少ないお湯で洗い流せるシャンプーなどを開発しています。
これらの企業は、気候変動に対して真剣に取り組み、自社の事業活動や製品を通じて地球環境保護に貢献することを目指しています。
以下のマインドマップでは、気候変動の問題を原因となる要因と地球温暖化の進行に分けて示し、それぞれに対策の必要性を示しています。気候変動対策は、削減策と適応策に分けられ、それぞれに具体的な施策が示されています。
削減策では、エネルギー転換、再生可能エネルギー、エネルギー効率化の３つの対策が示され、それぞれに具体的な取り組みが示されています。適応策では、自然環境の保全、防災・復興支援、社会的インフラ整備の３つの対策が示されています。
この図表を見ることで、気候変動に対する問題と対策の全体像を俯瞰することができます。
まず、気候変動の問題については、「原因」と「地球温暖化の進行」に分けられます。原因は「温室効果ガスの排出」で、主に「化石燃料の燃焼」「大気汚染」「森林伐採」によって排出されます。そして、この温室効果ガスの排出によって「地球温暖化の進行」が進んでいます。地球温暖化が進むことで「南極など、極地の氷の融解」「海面上昇」「異常気象」などの影響が出てきます。
次に、気候変動に対する「対策」については、「削減策」と「適応策」に分けられます。削減策としては、エネルギー転換があります。太陽光や風力などの「再生可能エネルギー」などを使うことで、二酸化炭素のような温室効果ガスの排出を減らすことができます。また、「エネルギー効率化」も削減策のひとつで、建物のエネルギー効率化や交通手段の改善（ガソリンから電気への転換など）などが挙げられます。
適応策としては、気候変動によって生じる影響に対処することが目的です。具体的には、「自然環境の保全」、「防災・復興支援」、「社会的インフラ整備」などがあります。「森林保全」「水資源の保全」などは、自然環境を守ることで、気候変動によって環境が悪化することを防ぐことができます。
また、「災害リスクマネジメント」や「被災地の復興支援」などは、気候変動によって起こる自然災害に備えたり、復興のための支援を行うことが目的です。最後に、「社会的インフラ整備」では、インフラストラクチャーの改善や都市計画の見直しなどが挙げられます。
たとえば電気自動車や水素自動車の普及には、充電スタンドなどの普及が欠かせない要素です。
これらを行うことで、気候変動に対する適応力を高めることができます。
