COLLECTIVE CONNECT 活動報告005:「サステナビリティ」を考える

こんにちは!コミュニケーション担当のKuwakuです。第5回目は「サステナビリティ」という概念を改めて考えるセッションを開催しました。

今回は、なんと…ヤフー株式会社の執行役員 西田さまに参加いただき、Z世代と対話形式セッションを実施しました。

Z世代からは、福島大学にじいろサークルさん、金沢大学Wanna Be ME、上智大学環境保護サークル Green Sophiaさん、金沢大学わこころさんに参加いただくことができました。

今回は、企業への提言というよりも、学生や社会人などさまざまな立場からの「なぜサステナビリティに取り組むのか?」という本質的なトピックスについて、考えるセッションとなりました。今回のディスカッションを通じて、サステナビリティに取り組むZ世代、企業人は改めて取り組む理由や重要性について考え直すきっかけが得られたと思います。では、今回の活動も報告させていただきます!

まずは、ヤフー株式会社のサステナビリティの取り組みについて、執行役員 SR推進統括本部長の西田 修一さま(西田さん)からご紹介いただきました。

西田 ヤフー株式会社では、社会的責任(CSR)と社会貢献を別のモノとして考えます。CSRは「社会を含む、すべてのステークホルダーに負わせるリスクを低減する活動」であり、社会貢献は「保有する資産や価値を社会に還元して、価値創造につなげる活動」です。ここで重要なのは、どちらか一方だけではなく、どちらも取り組むということです。

西田 社会貢献、つまり、価値創造活動については、事業化することができれば理想ですが、事業化としてはできなくても、「プラットフォーム(社会の公器)」としてやるべきことは多くあります。
東日本大震災の日が起きた時は、「Yahoo! JAPAN」のトップページを担当していました。そんな時に「検索」を通じて何をするべきなのか、何ができるのかということを考え、2013年に復興支援キャンペーン「Search for 3.11 検索は応援になる」を立ち上げました。この立ち上げには検索を通じて社会を良くしたいという強い想いがありました。
この「検索」関連について、「Yahoo! JAPAN」の検索窓には探し物だけでなく、心の叫びのような言葉を打つ人も多食います。例えば、「死にたい」という検索対して、厚労省などの相談窓口、病気関連の検索には間違いのない情報を提供するサイトを案内するなどして、どのように応えることができるか、その返答を工夫しています。
その他、いち早く命を守るための情報の提供(メディア×防災減災)、食品ロスやサステナブルファッションの消費促進(EC×エシカル)など、保有する資産を活用して、価値創造につなげる取り組みも行っています。

3.11、検索は応援になる。

西田 CSRの取り組みを進めていく上で以下の点について留意しています。
・Warm hearts but cool heads:熱い想いで冷静に取り組む」
・正義の鎧を纏わない:常にHolisticな視点で課題を見る
・風を読む:向かい風の中で物事は進まない、追い風は逆に進む
・らしさ:SDGsなどの大きな傘に埋もれない。常に「らしさ」を表現する

続いて、「なぜ、サステナビリティに取り組むのか?」ということについて、フリーにディスカッションを行いました。

それぞれの活動に取り組むきっかけはなんだったのでしょうか?

環境保護サークル Green Sophia 大学の授業でアニマルウェルフェア(動物福祉)、食料・水問題を学んだ時に自分でやらなければならないと感じたことが原体験にあります。他人に任せるのではなく、自分で行動したいと思った。

にじいろサークル 高校時代、自分自身が当事者として、カミングアウトするのはとても恐怖でした。大学に入学しても、LGBTという言葉すら知らない人が多かったので、居場所を作りたいと思い、SOGIのサークルを作りました。私は当事者だからこそ、自分が立ち上がらなくてはならないと思っていました。一人でも多くの、自分と同じ気持ちの人を救いたいという思いが強かったです。

WannabeME メディアの情報やSNS、授業などから、日本は性別による「差」がとても大きいと感じたことがきっかけです。実際に、Gender Equality Indexでも下位ランクです。こうした環境下で、性加害の被害者を1人でも減らしたいと思い活動しています。

わこころ 大学の授業がきっかけです。高校時代までは気候変動や多様性の問題は遠い話であり、他人ごとだと感じていました。しかし、大学で、そうした多くの地球規模の課題を変えるにはどうすれば良いのか?という授業を受けた時に、行動することは楽しい、心を豊かにすると感じました。その時から自分で行動したいと思って活動しています。将来はメディアなど「(現場を)伝える」仕事がしたいと考えています。

実際に今取り組んでいること活動は何でしょうか?また、活動をして変わったことはありますか?

環境保護サークル Green Sophia 世界の環境保全活動に貢献するために、オリジナルのステッカーをオンラインで販売して、その売上を環境NGOの世界自然保護基金(WWF)に寄付しています。
こうした活動をして、いろんな価値観を受け入れられることができるようになりました。サステナビリティに取り組んでいるからこそ、多様な考えがあって良いんだと思います

わこころ 環境問題と健康問題の解決に貢献するために、ロスになりやすい規格外野菜を活用して、野菜たっぷりのスープを作って販売しています。みんなで問題を解決できるようなビジネスを作りたいと思っています。
自分ができること/していることが思ったよりも少ないということに気づきました。「責任」という言葉の重みや重要性に改めて気づきました。

取り組みを進める中での課題は何でしょうか?

WannabeME どうやったら、SNSを活用して、より多くの人に私たちの活動に関心を持ってもらうことができるのか?とても悩んでいます。もともとジェンダー問題には興味があり、より多くの人にも関心を持ってほしいとSNSで発信しているが、なかなかリーチ数が伸びないです。

私もSNSで活動を発信していますが、どうしても反応が良くないと悩んでいます。LGBTに関する政策は当事者と非当事者に多くの隔てりがあると思っています。知識を与える、与えられるという考え方は、そもそもおかしいと感じます。そのためにも、さまざまなLGBTに関する情報を発信して、1人でも多くの人に、「自分」を知るきっかけを与えたいです。多様性とは自分自身を知ることから始まるのだと思います。

当事者意識がないと、実際に行動することは難しいですね。しかし、意識と行動のギャップを埋めるというのはとても大切だと思います。

西田 そうですね。行動を起こしてもらうためには、いかにコミュニケーションコスト(情報の伝達・意思疎通にかかる時間や手間)を下げるかが重要だと思います。つまり、情報を受け取る側が、その情報を早く、簡単に理解することが行動を起こすためには必要です。そのためにも、「共感」をしてもらうことが重要です。

今後、学生といっしょにやりたいことは何かありますか?

西田 今日のセッションを聞いて、学生さんのエネルギーの高さを改めて感じました。この熱い想い・姿勢を企業人に示して、刺激を与えていきたいと思いました。私自身もそうでしたが、とてもポジティブに気持ちが喚起されるのではないでしょうか?

今回のセッションはヤフー株式会社の執行役員でもある西田さんからお話を伺い、意見交換できるとても貴重な場であったということで、50分のセッションでは、時間が足りなくなってしまいました。学生として、さまざまな社会課題の解決のためにう、精力的に活動しているZ世代のリアルな声を聞いて、ヤフー株式会社からの参加者の皆さまは良い刺激を得られたようです。

今回のセッションはもちろんのこと、企業と学生の対話にご興味がある方、対話の場を持ちたいと言う方は InstagramTwitterから、お気軽にお問い合わせいただけます!ご意見お待ちしています!

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